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寝苦しい夏の夜を快適にする、住宅と暮らしの知恵
暦の上では初秋を迎えましたが、まだまだ暑い夜は続きます。少しでも涼しく快適に寝たい! そんなときのアイデアを集めてみました。
片岸千代子
2022年8月12日
不動産に携わって約16年。大手不動産会社(デベロッパー)で、新築分譲マンションの接客営業を経験。その後、不動産に特化したIT企業にて、社内のライターとして勤務。現在、不動産(住宅)を得意分野とする、フリーのライターとして活動中。http://www.writing-office.com/
不動産に携わって約16年。大手不動産会社(デベロッパー)で、新築分譲マンションの接客営業を経験。その後、不動産に特化したIT企業にて、社内のライターとして勤務。現在、不動産(住宅)を得意分野とする、フリーのライターとして活動中... もっと見る
立秋が過ぎたとはいえ、まだまだ残暑が厳しく寝苦しい夜が続いています。体調管理や節電を考えるとエアコンを使わずに、快適に眠りにつきたいと思いますよね。今日は、夏の夜を涼しく過ごすための住宅と暮らしの知恵についてご紹介します。
湿気の多い日本において、住宅造りにおいて昔から珍重されてきたのが「漆喰(しっくい)」です。近年では、「珪藻土(けいそうど)」と呼ばれる土壁を用いることもあります。
「漆喰」には、吸湿・放湿といった調湿効果をはじめ、抗菌・防汚などの効果があり「珪藻土」には、調湿効果や消臭、断熱効果があります。この調湿効果と断熱性が夏の暑さを抑えてくれるのです。じめっとした梅雨時期などには吸湿し、空気が乾燥すれば放湿してくれるため、体感温度が変わります。また、断熱性があるおかげで、真夏や真冬の外気の影響を受けにくく、部屋の温度が保ちやすくなりエアコンなどの節電にも寄与し、快適に過ごすことができるのです。
「漆喰」には、吸湿・放湿といった調湿効果をはじめ、抗菌・防汚などの効果があり「珪藻土」には、調湿効果や消臭、断熱効果があります。この調湿効果と断熱性が夏の暑さを抑えてくれるのです。じめっとした梅雨時期などには吸湿し、空気が乾燥すれば放湿してくれるため、体感温度が変わります。また、断熱性があるおかげで、真夏や真冬の外気の影響を受けにくく、部屋の温度が保ちやすくなりエアコンなどの節電にも寄与し、快適に過ごすことができるのです。
壁材として約5000年の歴史があるといわれる「漆喰」。思い出すのは、世界遺産や国宝に認定された「姫路城」の平成の大修理ではないでしょうか。壁はもちろん、瓦の目地にも「漆喰」を施し、白鷺城という愛称を彷彿とさせました。
「漆喰」には、先の項で述べた効果以外にも、耐火や化学物質の吸着分解といった効果もあり、施工時に発生する接着剤などの嫌な臭いや成分を吸着分解してくれるので、臭いで睡眠を妨げられることがほとんどないでしょう。また、抗菌作用で結露やカビの発生が軽減できるため、アレルギーの原因となるダニの繁殖を抑えることができます。夏は、汗をかきやすいうえにアレルギーが重なると、皮膚をかきむしってしまううえ、寝苦しさが否めませんが、壁材を考慮することで、これらが解決するかもしれません。
「漆喰」というと、和のイメージですが写真のように、施工すると洋風な室内インテリアにもなります。
「漆喰」には、先の項で述べた効果以外にも、耐火や化学物質の吸着分解といった効果もあり、施工時に発生する接着剤などの嫌な臭いや成分を吸着分解してくれるので、臭いで睡眠を妨げられることがほとんどないでしょう。また、抗菌作用で結露やカビの発生が軽減できるため、アレルギーの原因となるダニの繁殖を抑えることができます。夏は、汗をかきやすいうえにアレルギーが重なると、皮膚をかきむしってしまううえ、寝苦しさが否めませんが、壁材を考慮することで、これらが解決するかもしれません。
「漆喰」というと、和のイメージですが写真のように、施工すると洋風な室内インテリアにもなります。
「漆喰」といえば白色、「珪藻土」は茶色というイメージが一般的ですが最近では、「漆喰」や「珪藻土」の壁もデザイン性に富むようになり、煉瓦やレリーフを象ったおしゃれな壁を見かけるようになりました。また、グリーン、ベージュ、ピンクといった色を混ぜ、趣のある壁で室内を演出することも可能になっています。健康に配慮しつつ、ステキな住空間を造ることもできます。
人気のエコ素材、珪藻土の特徴とは?
人気のエコ素材、珪藻土の特徴とは?
快適な室内にするには、空調管理はかかせません。そこで、玄関の吹き抜けや天井の高いリビングや居室などで、見かける「シーリングファン(天井扇)」の出番です。熱い空気は上部に、冷たい空気は下部に溜まりやすいため、このシーリングファンを使い2層になった空気を混ぜ、室温を整えます。このように空気を循環させることで、温度のムラが抑えられ空調管理もしやすくなります。
よどんだ空気は、体感温度も上がりがちです。帰宅時に、誰もいない居室ってムッとした熱気がありますよね。そんなときは、エアコンをつける前にまず、窓や扉を開け通風を良くし、熱気のあるよどんだ空気を逃がすことが肝心です。そうすることで、エアコンの効きも良くすることができます。もし、風がなく通風がしにくいようなら、扇風機を使ってみましょう。
日本の建築には、欄間が設けられていますが、これは装飾や採光の取り入れをはじめ、室内を涼しくするための空気の流れを考慮して造られています。
日本の建築には、欄間が設けられていますが、これは装飾や採光の取り入れをはじめ、室内を涼しくするための空気の流れを考慮して造られています。
町家などでよく見かける「格子」。外から中は見えにくくなっているので、人目を気にせず窓を開けて通風することができます。日本の建築ってよく考えられていますよね。
初夏や晩夏など、夕方や夜の涼しい空気を室内に取り込みながらの就寝は、気持ち良さそうです。
初夏や晩夏など、夕方や夜の涼しい空気を室内に取り込みながらの就寝は、気持ち良さそうです。
今では、角度が変えられるルーバー式の面格子というものがあります。窓の外に取り付け、ルーバーを閉じれば雨戸代わりになり、ルーバーを開ければ、格子のようになり窓を開けて風を通すことができます。
こちらは、窓の外ではなく室内に格子を設置したケース。海外で、よく見かける様式です。海外はDIYが盛んな国も多く、格子や壁にペンキを塗って、自分好みに室内の模様替えを楽しんでいます。
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日本では、襖や障子も季節ごとに衣替えをしていました。最近は、あまり見かけなくなりましたが夏には、涼しげな葦戸、冬は雪見障子というように、その季節を感じ楽しみながら、快適に過ごすための工夫がされていたのです。そうすることで、夏は涼しく、冬は暖かく感じる視覚的効果が得られるのも、和風様式の特長ですね。
視覚的効果といえば、屋外でよく見かけるグリーンウォールや、花や果実をつける緑のカーテンもその一つに数えられるでしょう。
これらには、視覚的な効果以外にも空気の清涼化や体感温度の変化も期待できます。室内にグリーンを配置することで、夏バテや仕事の疲れなどを癒す心の安らぎにもなります。
これらには、視覚的な効果以外にも空気の清涼化や体感温度の変化も期待できます。室内にグリーンを配置することで、夏バテや仕事の疲れなどを癒す心の安らぎにもなります。
夏の入浴は、シャワーのみという方もいらっしゃるかもしれませんが、疲れをとり快眠するために、湯船につかることをおすすめします。適温かややぬるめのお風呂に、ミント系のハーブやアロマ、入浴剤などを入れれば、リラックス効果とともに疲れが癒えること間違いなし!また、睡眠時にはコップ1杯分の汗をかくといわれています。質のよい眠りのために、アルコールではなく水分補給をしてから、就寝するのがベストです。
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