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コレクションを自分でキュレーションして飾る、アートギャラリーのようなインテリア
在イギリス20年のアンティークのプロが綴る、古いものをインテリアにプラスする際のコツ。シリーズ最終回のテーマは「自分の集めたものをギャラリーのように飾る」です。
西谷典子|Noriko Nishiya
2015年8月11日
自分が気に入っているモノたちに囲まれた生活は、コアなコレクターではなくても憧れるし、実現できたら幸せですよね。ご自身のコレクションを素敵に、センスよく飾るにはどうしたらよいでしょう? 「アートギャラリー風に飾る」ことが、そのひとつの答えになります。アイテムの個性を考え、置くスペースや色づかいなど、まわりの空間とのバランスを考えながらディスプレイすれば、素敵なアートギャラリーのようなインテリアをつくることができます。集めたものを並べてみたかったけれど置くスペースがなくてあきらめていた、という方にもおすすめしたいディスプレイのアイデアも。アンティークや古いもののお話も交えながらご紹介していきたいと思います。
前回までの記事はこちら!
第1回 アンティークを現代の暮らしにミックスさせるポイント10
第2回 アンティークの基本的な知識、選び方や扱い方のポイント
第3回 アンティーク家具のタイムレスな魅力は、シンプルデザインまたはシンプルな空間で
第4回 省スペース&マルチファンクショナル。賢い機能のアンティーク家具を選ぶ
第5回 コンパクトな空間に、アンティーク家具をバランスよく配置するコツ
第6回 今の暮らしに合わせたアンティークの使い方「見立て使い」のアイデア集
第7回 形はクラシック、色はコンテンポラリー。アンティーク家具の色を変えて生まれ変わらせる
第8回 インダストリアルとシャビーシック。人気のスタイルはヴィンテージ家具で味わいを加えて
第9回 ファブリックでアンティーク家具をリフレッシュ! アンティーク&ヴィンテージの布の使い方
第10回 ヴィンテージの照明でインテリアをブラッシュアップ!
第1回 アンティークを現代の暮らしにミックスさせるポイント10
第2回 アンティークの基本的な知識、選び方や扱い方のポイント
第3回 アンティーク家具のタイムレスな魅力は、シンプルデザインまたはシンプルな空間で
第4回 省スペース&マルチファンクショナル。賢い機能のアンティーク家具を選ぶ
第5回 コンパクトな空間に、アンティーク家具をバランスよく配置するコツ
第6回 今の暮らしに合わせたアンティークの使い方「見立て使い」のアイデア集
第7回 形はクラシック、色はコンテンポラリー。アンティーク家具の色を変えて生まれ変わらせる
第8回 インダストリアルとシャビーシック。人気のスタイルはヴィンテージ家具で味わいを加えて
第9回 ファブリックでアンティーク家具をリフレッシュ! アンティーク&ヴィンテージの布の使い方
第10回 ヴィンテージの照明でインテリアをブラッシュアップ!
博物館のようなガラスドーム展示
ガラスドームはヨーロッパではもともと宗教的なオブジェを入れたり、剥製を飾るための展示ケースでしたが、最近ではこのアイテムを使って、古いものやコレクションを中に入れ、アートのようにお部屋に飾るスタイルが人気です。違う大きさのものを数個まとめて飾れば、まるで博物館のようなディスプレイになり、自分でキュレーションする気分も楽しめるスペースになりそうです。ホコリを気にせずに好きなものをスタイリッシュにディスプレイできる方法です。
ガラスドームはヨーロッパではもともと宗教的なオブジェを入れたり、剥製を飾るための展示ケースでしたが、最近ではこのアイテムを使って、古いものやコレクションを中に入れ、アートのようにお部屋に飾るスタイルが人気です。違う大きさのものを数個まとめて飾れば、まるで博物館のようなディスプレイになり、自分でキュレーションする気分も楽しめるスペースになりそうです。ホコリを気にせずに好きなものをスタイリッシュにディスプレイできる方法です。
時代ごと、あるいは時間順に並べる
古いものはいつの時代でも新しい時代に生きる者たちに何かを考えさせる偉大な存在感がありますが、このように何かのコレクションを時代ごとにきれいに並べると、そのモノが進歩してきた歴史が感じられ、自分の歴史にも思いを馳せられるような知的な雰囲気のコーナーになります。小さなスペースでも博物館のような風格があるのは、古いものだけではなく比較的新しいものも飾り、時間のつながりを意識しているところ。水平のまっすぐな線を意識して、コレクションをすっきりと見せています。
古いものはいつの時代でも新しい時代に生きる者たちに何かを考えさせる偉大な存在感がありますが、このように何かのコレクションを時代ごとにきれいに並べると、そのモノが進歩してきた歴史が感じられ、自分の歴史にも思いを馳せられるような知的な雰囲気のコーナーになります。小さなスペースでも博物館のような風格があるのは、古いものだけではなく比較的新しいものも飾り、時間のつながりを意識しているところ。水平のまっすぐな線を意識して、コレクションをすっきりと見せています。
キャラクターは標本のように
バービー人形がなぜクールかというと、その時代のファッションやメイクアップなどの流行がわかるからです。たとえばミッドセンチュリースタイルのインテリアに、同じ時代の人形などのコレクションを飾ると、写真のような個性のある雰囲気に。キャラクターもののコレクションは、気をつけないと子ども部屋のようになってしまうので、ディスプレイの仕方には要注意です。基本は「標本のように正確に」、ポジションを考えて見せるということ。この規則さえ守れば、きっと物語性のある大人っぽいディスプレイになるはずです。
バービー人形がなぜクールかというと、その時代のファッションやメイクアップなどの流行がわかるからです。たとえばミッドセンチュリースタイルのインテリアに、同じ時代の人形などのコレクションを飾ると、写真のような個性のある雰囲気に。キャラクターもののコレクションは、気をつけないと子ども部屋のようになってしまうので、ディスプレイの仕方には要注意です。基本は「標本のように正確に」、ポジションを考えて見せるということ。この規則さえ守れば、きっと物語性のある大人っぽいディスプレイになるはずです。
見立て使いでマルチファンクショナルに
ヴィンテージの糸巻きを壁につけて、ハンガーのように使った例です。このままでも絵になりますが、帽子などの掛け方、または種類で、おもしろいディスプレイができそうです。糸巻きは色も形も統一していませんが、壁のスペースにバランスよく、ゆったりとした間隔を取ってディスプレイしているので、まるでコンテンポラリーアートのようにも見え、装飾性と機能性を兼ね備えたユニークなコーナーになっています。
ヴィンテージの糸巻きを壁につけて、ハンガーのように使った例です。このままでも絵になりますが、帽子などの掛け方、または種類で、おもしろいディスプレイができそうです。糸巻きは色も形も統一していませんが、壁のスペースにバランスよく、ゆったりとした間隔を取ってディスプレイしているので、まるでコンテンポラリーアートのようにも見え、装飾性と機能性を兼ね備えたユニークなコーナーになっています。
古いフレームを集めたギャラリーウォール
壁に絵を一枚飾るのもいいですが、シンプルなプリントでもグループにして飾ると、さらにインパクトが出ます。他とのフレームのバランスを考え、ゴールドの装飾が入っているゴージャスなデザインではなくシンプルなフレームを選ぶようにしましょう。廊下のような大きく長いスペースには、絵のないヴィンテージのフレームだけをまとめて飾っても、画廊のような個性あるディスプレイになると思います。
壁に絵を一枚飾るのもいいですが、シンプルなプリントでもグループにして飾ると、さらにインパクトが出ます。他とのフレームのバランスを考え、ゴールドの装飾が入っているゴージャスなデザインではなくシンプルなフレームを選ぶようにしましょう。廊下のような大きく長いスペースには、絵のないヴィンテージのフレームだけをまとめて飾っても、画廊のような個性あるディスプレイになると思います。
意外性のある、3D的な見せ方
古いラジオという、サイズの大きいアイテムのコレクション。棚に飾っておくよりは、意表を突いてこのように壁いっぱいに取り付けると、インテリアの一部としておもしろい空間に。重いはずなのに浮いているように見え、まるでラジオが語りかけてくるような、ユニークなディスプレイの仕方になっています。
古いラジオという、サイズの大きいアイテムのコレクション。棚に飾っておくよりは、意表を突いてこのように壁いっぱいに取り付けると、インテリアの一部としておもしろい空間に。重いはずなのに浮いているように見え、まるでラジオが語りかけてくるような、ユニークなディスプレイの仕方になっています。
階段の壁は絶好のギャラリースペース
階段の壁は広く使えるので、たくさんのコレクションが飾れるおすすめのスペースです。このヴィンテージの靴型はサイズも形も年代もさまざまに違うものですが、階段を上がるたびにコレクションが目線のラインに合うように考えられたディスプレイで、よくアイテムの観察ができるようになっています。コレクションを最大限よく見せ、しかも空間を重く見せないように配慮されていますし、階段の手すりの色とコレクションの色もマッチして、ヴィンテージの雰囲気をうまくつくり出しています。
階段の壁は広く使えるので、たくさんのコレクションが飾れるおすすめのスペースです。このヴィンテージの靴型はサイズも形も年代もさまざまに違うものですが、階段を上がるたびにコレクションが目線のラインに合うように考えられたディスプレイで、よくアイテムの観察ができるようになっています。コレクションを最大限よく見せ、しかも空間を重く見せないように配慮されていますし、階段の手すりの色とコレクションの色もマッチして、ヴィンテージの雰囲気をうまくつくり出しています。
ストーリー性がある思い出の品々を飾る
家族が大切にしていたもの、思い出のあるものをフレームに入れて飾ってみるのもいいアイデアです。小さい頃履いていた靴や描いた絵、どこかに行った時に拾った石や貝殻、その時の楽しい記憶が甦るようなオブジェはストーリー性があり、家族だけのギャラリーのような空間になります。飾るアートは、必ずしも高価なものである必要はありません。プライスレスな自分の思い出の品々が十分、家を幸せに満ちたスペースにしてくれるのです。
家族が大切にしていたもの、思い出のあるものをフレームに入れて飾ってみるのもいいアイデアです。小さい頃履いていた靴や描いた絵、どこかに行った時に拾った石や貝殻、その時の楽しい記憶が甦るようなオブジェはストーリー性があり、家族だけのギャラリーのような空間になります。飾るアートは、必ずしも高価なものである必要はありません。プライスレスな自分の思い出の品々が十分、家を幸せに満ちたスペースにしてくれるのです。
オブジェのような見せ方、使い方
アンティークの手鏡は裏のデザインやコンディションはよいのに、鏡面が曇っていたりしてなかなかパーフェクトのものに出会えないものですが、コンディションが今ひとつでも、このように数個だけ壁に飾れば、アーティスティックな飾り方ができます。トイレはゲストも出入りするパブリックスペースなので、リビングルームと同様、個性を表現するべきスペース。このアイデアをいただいて、コレクションを壁だけではなく天井にも飾るくらい、リベラルなディスプレイをしても楽しいのではないでしょうか?
アンティークの手鏡は裏のデザインやコンディションはよいのに、鏡面が曇っていたりしてなかなかパーフェクトのものに出会えないものですが、コンディションが今ひとつでも、このように数個だけ壁に飾れば、アーティスティックな飾り方ができます。トイレはゲストも出入りするパブリックスペースなので、リビングルームと同様、個性を表現するべきスペース。このアイデアをいただいて、コレクションを壁だけではなく天井にも飾るくらい、リベラルなディスプレイをしても楽しいのではないでしょうか?
ティーカップコレクションのリサイクル
アンティークのティーカップにひびや欠けが入ってしまったりしても、愛着のあるものはそう簡単には捨てられないものです。そんなティーカップを利用して、アクセサリー入れとして飾ると、ドレッサーのまわりが華やかに見え、普段使いのアクセサリーの収納に役立ちます。イギリスのボーンチャイナは良質ですが、写真のような可愛いティーカップの数もだんだん少なくなっていますので、これからもぜひ長く大事に使ってほしいアイテムです。
アンティークのティーカップにひびや欠けが入ってしまったりしても、愛着のあるものはそう簡単には捨てられないものです。そんなティーカップを利用して、アクセサリー入れとして飾ると、ドレッサーのまわりが華やかに見え、普段使いのアクセサリーの収納に役立ちます。イギリスのボーンチャイナは良質ですが、写真のような可愛いティーカップの数もだんだん少なくなっていますので、これからもぜひ長く大事に使ってほしいアイテムです。
アクセサリー・ギャラリー
アクセサリーも数が多くなると収納方法に困り、何を持っているかわからなくなったりすることもあるもの。好きなデザインの大ぶりなアクセサリーを、壁にきれいに間隔をあけてディスプレイすれば、アートのように壁を飾ることができますし、季節ごとにコレクションを変えれば、ぱっとスピーディにその日のコーディネートを決めることもできそうです。狭い空間を利用してコレクションをインテリアの一部にした、上手なアイデアです。
アクセサリーも数が多くなると収納方法に困り、何を持っているかわからなくなったりすることもあるもの。好きなデザインの大ぶりなアクセサリーを、壁にきれいに間隔をあけてディスプレイすれば、アートのように壁を飾ることができますし、季節ごとにコレクションを変えれば、ぱっとスピーディにその日のコーディネートを決めることもできそうです。狭い空間を利用してコレクションをインテリアの一部にした、上手なアイデアです。
効果的なステージ、マホガニーのホールテーブル
マホガニー材の小ぶりなホールテーブルは、素材自体に光沢があるので、自然光だけでスポットライトが当たっているようにも見える効果があり、大切なコレクションをきれいに見せるにはおすすめの家具です。ジョージアンスタイルのシンプルなデザインのテーブルをステージに、白のモダンなオブジェが美しく映えていますね。
マホガニー材の小ぶりなホールテーブルは、素材自体に光沢があるので、自然光だけでスポットライトが当たっているようにも見える効果があり、大切なコレクションをきれいに見せるにはおすすめの家具です。ジョージアンスタイルのシンプルなデザインのテーブルをステージに、白のモダンなオブジェが美しく映えていますね。
ご自慢のコレクションをよく見せるためにも、壁や家具の上などの「ステージ」を有効に使い、目線の高さに合わせて飾ることで、もっと印象深く、コレクション全体が見やすくなります。大切に集められたコレクションは、きっとそのようにきれいに飾られ、きちんと見られる価値があるはずです。時間が経って少し飽きたら、また違うものを別のテーマで順番に飾りましょう。自分や家族や訪れる人を楽しませるアートギャラリーを自分でキュレーションするのは、とても楽しいことです。好きなものに囲まれた、世界一ほっとする空間を探求し、つくり上げていってくださいね。
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