機能美を兼ね備え、次世代へと進化する「和室」
畳、襖、押入れなど、現代的で機能もすぐれた和室のしつらえが日本のみならず海外でも注目されています。和室のデザインの参考にしてみてください。
片岸千代子
2015年7月17日
不動産に携わって約16年。大手不動産会社(デベロッパー)で、新築分譲マンションの接客営業を経験。その後、不動産に特化したIT企業にて、社内のライターとして勤務。現在、不動産(住宅)を得意分野とする、フリーのライターとして活動中。http://www.writing-office.com/
不動産に携わって約16年。大手不動産会社(デベロッパー)で、新築分譲マンションの接客営業を経験。その後、不動産に特化したIT企業にて、社内のライターとして勤務。現在、不動産(住宅)を得意分野とする、フリーのライターとして活動中... もっと見る
近年、フローリングの居室だけで、和室のない住宅が増えつつあります。そんな中、伝統的な設えなど従来の和室の良さを残しつつ、現代風・洋風にデザインされた和室が注目されています。客間、寝室、子ども部屋、家事室、などその時々の状況に応じ、用途を自由に変更できる柔軟性と馴染みやすさのある和室は、日本人が日本人らしくいられる空間ではないでしょうか。ライフスタイルに合わせた暮らし方を提案し、暮らすほどに磨かれていく居室空間。現代の機能美をプラスし、次世代への和室へと変化を遂げるその魅力をご紹介します。
家族とのコミュニケションにも配慮した空間
洋風モダンなインテリアにとけ込むホワイトを基調とした和室。従来の和室に現代の機能美をプラスすることで、より開放的で清潔感ある空間を演出しています。リビングとの一体感をもたせることで、伸びやかな住空間を創り出しています。目線を遮るものがないので、家族がどこにいても、顔を見ながら会話が楽しめますね。
洋風モダンなインテリアにとけ込むホワイトを基調とした和室。従来の和室に現代の機能美をプラスすることで、より開放的で清潔感ある空間を演出しています。リビングとの一体感をもたせることで、伸びやかな住空間を創り出しています。目線を遮るものがないので、家族がどこにいても、顔を見ながら会話が楽しめますね。
庭の植栽と融合した窓枠絵画
琉球畳でリズム感を与えた和室は、そら豆形の窓がアクセントになっています。空間に広がりを感じさせる、低位置の横長の窓からは、ほどよい陽光とともに、お庭の緑を視覚に取り込むことができます。四季に応じて庭の風景が変わることで、2つの窓が動きのある絵画の役目を果たしています。
琉球畳でリズム感を与えた和室は、そら豆形の窓がアクセントになっています。空間に広がりを感じさせる、低位置の横長の窓からは、ほどよい陽光とともに、お庭の緑を視覚に取り込むことができます。四季に応じて庭の風景が変わることで、2つの窓が動きのある絵画の役目を果たしています。
収納とおしゃれの両立
収納力のある壁一面の押し入れ。生活スタイルやインテリアに合わせ、洋風のおしゃれなデザインが多く登場しています。床の間の代わりに、お花や掛け軸、絵画などが飾れるニッチを創ると、空間がグッと締まりおしゃれに。また、床と押し入れの間に空間を設け、照明を付けることで明るさと広がりが感じます。
収納力のある壁一面の押し入れ。生活スタイルやインテリアに合わせ、洋風のおしゃれなデザインが多く登場しています。床の間の代わりに、お花や掛け軸、絵画などが飾れるニッチを創ると、空間がグッと締まりおしゃれに。また、床と押し入れの間に空間を設け、照明を付けることで明るさと広がりが感じます。
ライフシーンに合わせて使いこなす和室
ダイニングとの段差のない和室は、小さなお子さんがいるご家庭にもぴったり。幼児期は、お昼寝タイムに、大きくなれば遊具を置くこともでき、成長に合わせて自由に使えます。来客時は、客間になり、親族が泊まりに来るときは寝室になり、その時の状況に応じ用途が選択できるのも和室の特長です。
ダイニングとの段差のない和室は、小さなお子さんがいるご家庭にもぴったり。幼児期は、お昼寝タイムに、大きくなれば遊具を置くこともでき、成長に合わせて自由に使えます。来客時は、客間になり、親族が泊まりに来るときは寝室になり、その時の状況に応じ用途が選択できるのも和室の特長です。
畳に座るという習慣そのままに
冬はこたつに、それ以外はダイニングテーブルとして使える掘りごたつ。椅子に腰掛けるように座れるので、お年寄りから子どもまで、快適に過ごすことができます。家族との団欒をはじめ、客間としても重宝する造作のひとつ。
冬はこたつに、それ以外はダイニングテーブルとして使える掘りごたつ。椅子に腰掛けるように座れるので、お年寄りから子どもまで、快適に過ごすことができます。家族との団欒をはじめ、客間としても重宝する造作のひとつ。
季節や気分で襖を模様替え
モダンなデザインの襖も増えており、和風・洋風・アジアンテイストなど、好みに応じて襖を選ぶことで、センスの光る個性的な和室に。また、季節などに応じて、襖のデザインを変えると簡単に模様替えができ、その時々によって和室の変化を楽しむことができます。
モダンなデザインの襖も増えており、和風・洋風・アジアンテイストなど、好みに応じて襖を選ぶことで、センスの光る個性的な和室に。また、季節などに応じて、襖のデザインを変えると簡単に模様替えができ、その時々によって和室の変化を楽しむことができます。
和室をデザインする遊び心
室内の壁の色をオーダーし、小豆色、鴬色、紺色などのカラーの塗装を施すとモダンな和室に。また、天井を木材や竹材・芦などを使い、格子状に仕上げると、よりいっそう雰囲気が増します。琉球畳のデザインと相まって、和室の上下の調和がとれた部屋になりました。
室内の壁の色をオーダーし、小豆色、鴬色、紺色などのカラーの塗装を施すとモダンな和室に。また、天井を木材や竹材・芦などを使い、格子状に仕上げると、よりいっそう雰囲気が増します。琉球畳のデザインと相まって、和室の上下の調和がとれた部屋になりました。
伝統を継承しつつ進化する和室
茶道の「にじり口」を連想させる低位置の窓。障子を閉めると単なる和室でしかないですが、開けたときの驚きは、慎ましやかな日本の美を想わせます。日本庭園の坪庭をイメージした窓越しの植栽、わひさびを感じさせる壁の設えは、日本古来の和室の良さを取り入れつつ、現代風にアレンジされています。
茶道の「にじり口」を連想させる低位置の窓。障子を閉めると単なる和室でしかないですが、開けたときの驚きは、慎ましやかな日本の美を想わせます。日本庭園の坪庭をイメージした窓越しの植栽、わひさびを感じさせる壁の設えは、日本古来の和室の良さを取り入れつつ、現代風にアレンジされています。
和室という名の書斎
和室に、造作でテーブルや本棚を配置すると、書斎のように使えます。お父さんの調べものや主婦の家事仕事、お子さんの勉強など、多彩な用途への変更が可能。リビングの横に和室を配置すると、家族のつながりを感じながらくつろぐことができますね。
和室に、造作でテーブルや本棚を配置すると、書斎のように使えます。お父さんの調べものや主婦の家事仕事、お子さんの勉強など、多彩な用途への変更が可能。リビングの横に和室を配置すると、家族のつながりを感じながらくつろぐことができますね。
引き継ぐべき古からの習わし
古風な仏壇や神棚が、インテリアの一部のようにとけ込む和室。伝統を守りつつ、現代のライフスタイルにマッチした設えにすることで、アクセントのある粋な空間を創出することができます。和と洋の融合が生み出す、新しい感覚の和室です。
古風な仏壇や神棚が、インテリアの一部のようにとけ込む和室。伝統を守りつつ、現代のライフスタイルにマッチした設えにすることで、アクセントのある粋な空間を創出することができます。和と洋の融合が生み出す、新しい感覚の和室です。
日本人の心に寄り添う囲炉裏
現代の住宅で見かけることも少なくなった、本格的な囲炉裏。自宅に設けると住まう家族はもちろん、来客のテンションも上がること間違いなし! 囲炉裏の炭火で焼いたお餅や魚はもちろん、鍋料理の美味しさはみんなが知るところ。おもてなしの贅沢さがほのかににじむ、和室になっています。
現代の住宅で見かけることも少なくなった、本格的な囲炉裏。自宅に設けると住まう家族はもちろん、来客のテンションも上がること間違いなし! 囲炉裏の炭火で焼いたお餅や魚はもちろん、鍋料理の美味しさはみんなが知るところ。おもてなしの贅沢さがほのかににじむ、和室になっています。
そこに集いたくなる炭火の魅力
洋風にアレンジした囲炉裏。それがあるだけで、生活に刺激を与える異空間的な感覚を演出できます。囲炉裏を囲んでの団欒は、いつも話さないことまで語ってしまうような、楽しい時間を与えてくれそうです。使わないときは蓋をすることができるので、灰が舞うこともありません。
洋風にアレンジした囲炉裏。それがあるだけで、生活に刺激を与える異空間的な感覚を演出できます。囲炉裏を囲んでの団欒は、いつも話さないことまで語ってしまうような、楽しい時間を与えてくれそうです。使わないときは蓋をすることができるので、灰が舞うこともありません。
つかず離れず、絶妙な距離感
壁や襖だと完全に空間の隙間ができますが、格子状なので御簾のような感覚で、家族や空間の繋がりを感じながらくつろぐことができます。壁や間仕切りではないので、リビングとの一体感を演出しつつ、個室のような空間を創ることができます。また、格子状なので冷暖房の空調管理もしやすくなりそうです。
壁や襖だと完全に空間の隙間ができますが、格子状なので御簾のような感覚で、家族や空間の繋がりを感じながらくつろぐことができます。壁や間仕切りではないので、リビングとの一体感を演出しつつ、個室のような空間を創ることができます。また、格子状なので冷暖房の空調管理もしやすくなりそうです。
高級料亭のような品格を演出
格子に囲まれた和室。夏は涼やかさを演出し、限られた空間ながら広がりと落ち着きが感じられるデザインです。格子を使うことで、外からの目線も気にならず、木の温かみを感じながら、その空間を楽しむことができます。
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http://www.nikkei.com/article/DGXMZO88692870Q5A630C1000000/?n_cid=DSTPCS004 こちらですね。