Houzzツアー:都心で働きリゾートに暮らす。40代夫婦が都内マンションの予算で手に入れた心豊かな暮らし
海や空に近い、豊かな自然環境の中でのびのびと過ごす生活。マンション暮らしから一転、都心で働き続けながら豊かな空間を手に入れたご夫妻の家。
Rieko Ozawa
2015年6月4日
Houzzコントリビューター、編集&ライター。子どもの頃からの間取り好きが高じてインテリア&ハウジング雑誌の編集者に。その後フリーランスとなり、居心地がよくておしゃれな住まいづくりの情報を発信し続ける。築30年のメゾネットマンションを、仲間の協力を得ながら少しずつ改装し、快適で楽しい住まいに構築中。広告会社に勤める夫と二人暮らし。
Houzz contributors, Editor & Writer. I have been interested in the floor plan since I was a child. Then, I became an editor of the INTERIOR & HOUSING magazine. We bought a maisonette dwelling unit built in early 1980s and have been renovating little by little with my partner.
Houzzコントリビューター、編集&ライター。子どもの頃からの間取り好きが高じてインテリア&ハウジング雑誌の編集者に。その後フリーランスとなり、居心地がよくておしゃれな住まいづくりの情報を発信し続ける。築30年のメゾネットマンションを、仲間の協力を得ながら少しずつ改装し、快適で楽しい住まいに構築中。広告会社に勤める夫と二人暮らし。
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都心で働きながら、目の前に海が広がるリゾートホテルのような家に暮らし、休日には庭先で育てた野菜で友人をもてなす――。誰しもが憧れるライフスタイルを実現させた40代の夫婦。以前は勤務先に近い都心のタワーマンションに暮らしていた二人でしたが、高層マンションならではの景観こそ気に入っていたものの、土や風など自然本来の心地よさを感じることができない環境に閉塞感を感じていたといいます。
「やっぱり、もっと心も身体も気持ちよくて、楽しい住まいに暮らしたい」
次第にそんな思いが強くなり、海や空につながるような開放感のあるLDK、海を見ながら入浴できる風呂、野菜づくりのできる庭――そんな、自分たちが理想するとする住まいと暮らし方に正面から向き合うことにしました。
手はじめに都心まで電車で1時間強の海辺の街に賃貸住宅を借りて暮らしてみたところ、十分通勤可能ということが判明。さっそく土地探しを開始しました。ところが都心通勤圏でありながら自然豊かで風光明媚といった好条件が価格に反映され、土地の価格はかなりの高値。一度は予算の壁に阻まれたそうですが、それでもあきらめずに探し続けたところ、早期に売却したい売主の事情で相場の半値で売り出された、海を見下ろす高台の土地に巡り合うことができました。
「やっぱり、もっと心も身体も気持ちよくて、楽しい住まいに暮らしたい」
次第にそんな思いが強くなり、海や空につながるような開放感のあるLDK、海を見ながら入浴できる風呂、野菜づくりのできる庭――そんな、自分たちが理想するとする住まいと暮らし方に正面から向き合うことにしました。
手はじめに都心まで電車で1時間強の海辺の街に賃貸住宅を借りて暮らしてみたところ、十分通勤可能ということが判明。さっそく土地探しを開始しました。ところが都心通勤圏でありながら自然豊かで風光明媚といった好条件が価格に反映され、土地の価格はかなりの高値。一度は予算の壁に阻まれたそうですが、それでもあきらめずに探し続けたところ、早期に売却したい売主の事情で相場の半値で売り出された、海を見下ろす高台の土地に巡り合うことができました。
どんなHouzz?
居住者:40代の夫婦
所在地:神奈川県と静岡県の県境に位置する、由緒ある海辺の別荘地
規模:3階建て/延床面積110平方メートル
構造:RC造+木造
設計:アトリエ137
撮影:ナカサアンドパートナーズ
土地を探すと同時に、建築家にも相談をはじめた二人。家づくりのパートナーに選んだのは、自然との一体感がある家づくりに定評のあるアトリエ137。建築家の鈴木さんいわく「東京で働きながらこのような環境に暮らすことは、多くの人が憧れながらも何かしらの理由をつけてあきらめてしまいがち。けれども、あきらめなければ夢はかなうもの(笑)。掘り出し物の土地に出会えたという幸運もありましたが、都内のファミリー向けマンションと概ね同じ予算で実現しています」
居住者:40代の夫婦
所在地:神奈川県と静岡県の県境に位置する、由緒ある海辺の別荘地
規模:3階建て/延床面積110平方メートル
構造:RC造+木造
設計:アトリエ137
撮影:ナカサアンドパートナーズ
土地を探すと同時に、建築家にも相談をはじめた二人。家づくりのパートナーに選んだのは、自然との一体感がある家づくりに定評のあるアトリエ137。建築家の鈴木さんいわく「東京で働きながらこのような環境に暮らすことは、多くの人が憧れながらも何かしらの理由をつけてあきらめてしまいがち。けれども、あきらめなければ夢はかなうもの(笑)。掘り出し物の土地に出会えたという幸運もありましたが、都内のファミリー向けマンションと概ね同じ予算で実現しています」
青い空に映えるさわやかな外観。スクエア(正方形)にこだわってデザイン。海に向けて全面を窓にするためにブレースを採用し、耐震性を高めながら、開放的な大開口を実現させました。
海に向けて広がる抜群の開放感。海からの心地よい風もふんだんに取り込めます。
薪ストーブも実現したかったアイテムのひとつ。あえて窓辺に設置して、海を見ながらストーブを囲める、なんとも贅沢なLDKです。
薪ストーブも実現したかったアイテムのひとつ。あえて窓辺に設置して、海を見ながらストーブを囲める、なんとも贅沢なLDKです。
海が一望できるバスルーム。窓を開け放てばテラスにつながる、まさに極上のリゾートホテルのようなバスルーム。
さらにスペシャルなのは、温泉が供給されているということ。水道と同様に敷地まで引き込まれているという充実ぶりで、温泉地ならではの恵みをふんだんに享受しています。
さらにスペシャルなのは、温泉が供給されているということ。水道と同様に敷地まで引き込まれているという充実ぶりで、温泉地ならではの恵みをふんだんに享受しています。
LDKの窓をフルオープンにするとこの開放感。室内とフラットに続くテラスデッキで屋外の心地よさを取り込んでいます。「網戸も装備しているので、虫対策も完璧です」
ゆったりと奥行きのあるテラスデッキは庇を兼ね、室内に入る日射と雨を防ぐ役割を果たしています。「多少の雨なら、窓を開け放したまま過ごせます」
暮らしの中心となるキッチン&ダイニング。DKの背面は集中収納エリア。右側の扉からはパントリーへ、左側の扉はウォークインクローゼットへの入り口。
内装材も自然素材にこだわり、壁はスイス漆喰、床はヒノキ材を「オスモ」の自然塗料で白くペイントして仕上げました。
内装材も自然素材にこだわり、壁はスイス漆喰、床はヒノキ材を「オスモ」の自然塗料で白くペイントして仕上げました。
キッチンに立ったときの眺望を最優先にレイアウトしたLDK。キッチンのカウンターはシンクを一体成型したクオーツストーン。ダイニングテーブルまで一体型で幅は約4.5メートル!!
休日には友人が集まることもしばしば。家庭菜園で育てた野菜と地元のおいしい魚料理でもてなします。
休日には友人が集まることもしばしば。家庭菜園で育てた野菜と地元のおいしい魚料理でもてなします。
吹き抜けで縦方向への広がりと開放感を演出。「LDKの天井高を上げたいという要望もあったのですが、全体を上げると階段が長くなり、居住スペースを圧迫してしまうので、吹き抜けをつくることで、縦の広がりを感じさせ、同時にも薪ストーブの排気性も高めました」
吹き抜け部分の梁は白くペイント。さりげない存在感を感じさせながら、空間にとけこませています。
明るい日差しが降り注ぐ、どこまでも清々しいバスルーム。バスタブは一流ホテルのスイートルームで使用されている「T-フォルム」。900×1800のワイドサイズを採用し、極上のリラックス空間に。タイルは滑りにくく蓄熱性の高い国産タイルを採用。洗面はシンクまで一体成型のクオーツストーンでホテルライクに仕上げました。
テラスデッキの張り出しが、1階でも庇としての効果を発揮。玄関ポーチも兼ねています。「日本の気候では玄関のポーチ屋根は欠かせませんが、デザインに取り込むことですっきりと仕上げました」。薪ストーブ用の薪置き場としても活躍。
1階は土間玄関と書庫。そして将来的にゲストルームにするプランのオープンスペース。土間玄関は、畑仕事の道具や薪を置くスペースとして活用。
夕暮れ時の海を背景にした薪ストーブ。人生観が変わりそうなほど美しい光景です。豊かな時間が流れていきます。
薪ストーブは長野県・安曇野の「山林舎」にオーダーしました。
薪ストーブは長野県・安曇野の「山林舎」にオーダーしました。
引っ越した当初は、夜の暗さと深さに畏怖を感じたというご夫妻。「ここでの暮らしになじんでいくごとに、人間が本来持っている感覚が研ぎ澄まされてきたように感じます」
海と木々に囲まれ、風を感じ、火を眺め、土に触れ、野菜を育てる。そんなプリミティブな刺激が、忙しい日常にくつろぎと活力を与えてくれるとも。
都会で働き、自然に帰る。自由でアトラクティブな暮らしの形がそこにありました。
海と木々に囲まれ、風を感じ、火を眺め、土に触れ、野菜を育てる。そんなプリミティブな刺激が、忙しい日常にくつろぎと活力を与えてくれるとも。
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